柏市消防局「にじいろ救命女子」について ~全国消防協会編集「ほのお」2018年10号より~

昨日は全国各地で出初め式が開催されたようです。 東京消防庁出初め式がNHKで中継されてましたが、やはり規模が凄いですね。 全国中継なので、国を使って宣伝してるのと同じですから、地方公共団体としての目線からだと、凄く効果の高い宣伝ですよね。

さて、どうしても規模が大きい東京消防庁さんが目立ってしまいますが、消防の規模は基本的に市町村単位です。 なので、もっと小さい単位、うちの地域はこんなことやってるんだけど、全国への広報は出来ないのか?という要望が多くあります。

そういった声を集め、関係団体が機関誌を作成してくれているのですが、今後はこの場を借りてそちらを紹介していきます。

「ほのお」2018年10号より

まず今回はこちらの紹介です。

一般財団法人全国消防協会編集「ほのお」です。

http://www.ffaj-shobo.or.jp/&sa=U&ved=2ahUKEwiXmpz3xdrfAhUWQN4KHQxtBiUQFjABegQICBAB&usg=AOvVaw1Kieyld32cJx1iqKOIfYyH

こちらは月に一度発刊されており、本来は有料ですが、職場で購入しているため、そちらから引用させていただきます。

柏市消防局、女性職員の増員へ

消防、警察、そして自衛隊の、いわゆる体育会系公務員などと呼ばれている団体は、依然として女性の比率が高くありません。

その中でも、消防は全国で見ると女性職員は 全体の2.7%しかいないそうです。

そこで、柏市消防局は、平成27年9月に「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」が制定されたことをきっかけに、女性職員の増員を図るため、執務環境の整備などを推進したそうです。

住民からの、女性職員に対する見方。そして、「にじいろ救命女子」の誕生

職場単位では、少しずつ増員へ向けての準備を進めているようですが、実際に柏市消防局で働いている女性職員の声を聞いてみると、このようなコメントが掲載されています。

「現場では、いることに驚かれたり、不安に思われることもあるが、安心してもらえたこともある」

昔から「婦人警官」という言葉はありますが、「婦人消防」というと、職員ではなく婦人防火クラブや、婦人消防協力隊のイメージが強いので、やはり住民目線だと、普通ではないようです。

そこで平成30年3月3日、柏市消防局の救急隊、消防隊員計13名で「にじいろ救命女子」を発足しました。

「にこにこ笑顔で」「情熱と」「癒やしの心で」「老若男女に安心を」の、それぞれの頭文字をとった名称です。

女性消防職員が主導となり、広報活動、子育てイベント等への参加や、ホームページで活動などを紹介する動画も紹介しています。

http://www.city.kashiwa.lg.jp/fdk/3501/rainbow_girls/index.html&sa=U&ved=2ahUKEwjSvO3-w9rfAhVNUd4KHdMoC5UQFjAAegQIAxAB&usg=AOvVaw1U92oYgXwNXyLH1ywdMvfq

女性が働く消防、それが普通になるように

さて、話は変わりまして。 僕の初任地は地元の分署でしたが、ここに女子トイレはありませんでした。 建築された当時、恐らく女性職員がいなかったからだとは思いますが、今考えると、おかしいですよね。

昨年新築された地元の庁舎は、女性用トイレ、更衣室、仮眠室も整備されています。 10数年前から建て替えられている庁舎には、全てトイレは男女別ですし、近年は仮眠室だけでなく、シャワー室も別で完備されています。

まずは働く人たちが、安心して勤務できる環境の整備、そして住民の皆さんから「いて当たり前」と見られるような状況を作っていくこと、そして女性が主体となって活動できる場を広げていけるかが、これからの課題ですよね。

そうすれば、「ここで働きたい!」と思ってもらえるような職業として、認められるのではないでしょうか!

今日はこの辺で。

連休は、休むものではない。ライバルとの、自分との戦いを進めるための合宿期間である

明けましておめでとうございます。

昨年11月から始めたこのブログですが、全然更新できてません。

だからといって辞めるのも意味がないので、ぼちぼちと続けていく予定ですので、本年もよろしくお願いします。

まぁ最初ですので、少し前向きな話をしていきます。

年末年始、どう過ごすか?元旦休みって何?

いきなりですが、自己啓発って大事ですよね。 世に出ている先人達は、色々な苦労を重ね、その場にようやく辿り着いています。

そんな方達が、これから茨の道を進もうおする皆さんに残した言葉が沢山あります。

その中から、今日は3つを選びましたので、これに学んでいきましょう!

「明日やろうは馬鹿やろう」 「1年の計は元旦にあり」 「1日休んだ分を取り戻すのに3日かかる。  3日休んだ分を取り戻すのに1週間かかる。  1週間休んだ分を取り戻すのに1ヶ月かかる。」

年末年始を休みと思うな。自分への投資をしろ

とりあえず3つ紹介しましたが、勘の良い方はもう何を言いたいから察しているかもしれませんが、その前に自分の事を少し書いておきます。

一応、暦の上では12月29日から1月3日まではお休みです。 ですが、ご存じの通り、消防や警察という組織に休みはありません。 24時間、365日、無休です。

かく言う僕も、大晦日は勤務の日で、職場で新年を迎えました。 ちなみに、消防に入ってからは、半分以上を職場で迎えております。

だから、年末年始は休み、という感覚を捨てています。 むしろ対外的なものは休みなので、溜まった仕事を処理したり、走ったり、職場で読書をさせてもらいました。

さて、何が言いたいかというと、休みを休みと思うな、ということですね。

こういう計算式は知っていますでしょうか?

一日で1%の成長をする人と、1%サボる人との差は、1年経つとどうなっているのか?

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借りてきた画像です。すみません。説明すると、 1%成長する人は、次の日に1.01になります。 1%サボった人は、次の日に0.99になります。

それを1年間積み重ねていくと、 1%成長する人は、一年後に37.8になります。 1%サボった人は、一年後に0.03になります。

これには書いていませんが、1週間で計算すると、 1%成長する人は、1週間後に1.07になります。 1%サボった人は、1週間後に0.93になります。

同じく、1ヶ月(30日)で計算すると、 1%成長する人は、1ヶ月後に1.34になります。 1%サボった人は、1ヶ月後に0.73になります。

こうして見ると、最初に書いた3つの言葉、重みが出てきませんか?

たかが6日の年末年始休み、逆に何が出来るか考えてみよう

まぁ簡単にまとめてしまうと、他の人が休みだと思っている時は、自分が成長するための期間、くらいに考えて欲しい、ということです。

じゃあこの年末年始の休みは、何すればいいの?という話なんですが、自分で考えてください! 人に頼る時点で負けですよねー、と自分に言い聞かせてます。

まぁ参考にするなら、6日あるので、最初の1日で計画を立てて、準備をするのがいいと思います。 残りの5日で何をやるか、何が出来るのか。

今流行りの英会話なら、中学校の頃に習った英単語を見直してみて、洋画を字幕で何回か見てみるでもいいです。

投資を始めたいというなら、まず何でもいいから本を購入して、口座を開設してみる、とかでもいいです。

という話を、29日くらいに書く予定でした。 偉そうなこと書いてすみません…。

今日はこの辺で。

札幌ガス爆発事故、正しくは「爆発火災」。そこから学ぶべきものは?

いきなり寒くなった今年の冬ですが、少し寒さが和らいできましたね。

そんな中、北海道から熱い話題が入ってしまいましたね。

とりあえず消防関係者としては触れなければならない話題ですので、札幌のガス爆発について今日は書いていきます。

爆発事故と呼んでますが、火災の三要素から見れば火災です

まずは、火災の定義を紹介しておきましょう。

火災とは、 ①人の意図に反して又は放火により発生  ②消火の必要のある燃焼現象 ③消火施設又はこれと同程度の効果のあるものの利用が必要 の、3つ全てに該当すると、「火災」という扱いになります。

これを火災の三要素と呼んでいます。

ですが、爆発の場合は②、③があってもなくても火災になります。

そして、今回の札幌の事案を映像で確認していくと、爆発の継続があり、焼損物件があるので 、札幌のガス爆発事故、これは正しくは爆発火災です。

爆発の定義

また、爆発と一言で言ってますが、こちらもきちんと定義があるんです。

爆発とは ・化学的変化による反応の形態のひとつ ・急速な化学反応で多量のガスと熱を発生 ・爆鳴、火炎及び破壊作用を伴う現象 だそうです。

言葉にすると難しいですが、報道で出てる情報を並べると ・引火性のガスに火が着いた ・炎が上がっていた ので、まぁ定義を知らなくても爆発だ!って思いますよね。

夜の火災では死者が出るのに、あの規模で死者はなし

しかし今回の事案、不思議だな?と感じたのは、死者がいなかったことです。

火災に伴う死者は、火災発生から48時間以内に、その火災に関わって亡くなった人の事をいいます。

被害はあの大炎上、建物が20棟、車両26台、42人が重軽傷という規模にも関わらず、死者がいなかったのは凄いです。

逆にあの時間帯、一般住宅の火災だと、死者がいておかしくありません。

では逆に、何故火災で死者が出るのか?ということを考えてみます。

火災の死者で一番多いのは、逃げ遅れによるものです。

火災による死者の原因のほとんどは、逃げ遅れてしまったため、気道熱傷(呼吸に関する器官が焼ける)によるものが多いです。

逃げ遅れる理由も、煙を多量に吸い込んでしまい、意識があっても動けない状態だったりする場合がほとんどです。

今回の札幌ガス爆発火災、建物の倒壊はありましたが、それによる閉じ込めがなかったこともそうですし、巻き込まれた人も逃げることが出来た、ということが、死者が出なかった要因のひとつと考えられます。

そう考えると、やはり火災と早期に気付くこと、そして逃げることが、命を守るために重要だと考えられます。

ですので、何を言いたかったかというと、皆さん住宅用火災警報器を設置してくださいという話です。

今日はこの辺で撤収。

バイタルサインの正しい理解、普段から知っておくこと! ~あなたの心拍数、正常ですか?~

今夜は映画シン・ゴジラが放送されていますね。 住民を避難誘導する東京消防庁の皆さん、頑張ってください!

というかフィクションであってください。 本当にゴジラが出現したら困ります(笑)

というわけで今日はバイタルサイン、中でも心拍数について書いていきます。

普通だと思っていたのに、普通ではなかった隊員

我々消防は、基本的にサイレンを鳴らして出動するごとに報告書を作成することになっています。 これを1事案1報告と呼んでいます。

で、先日、救急出動した時の報告書を、同僚が作成していた時の話です。

同僚「心拍数って、いくつから徐脈でしたっけ?」

自分「60回を切ったらだよー」

同僚「60回?んじゃ俺、普段から徐脈じゃん!」

つまり、同僚は常に異常だったようです!

正常とされている心拍数とは

心拍数とは、一分間に何回心臓から血液を送り出しているか?を表しているものです。

皆さんが生きている間、血液を全身に巡らせるため、心臓は絶え間なく動いています。 緊張したり、激しい動きをしたりすると、心拍数が上がると思います。 これは、血液を多く送り出し、全身に多くの酸素を運ぼうとするからです。

そして、正常な心拍数は、一分間に60回から100回と定義されています。

また、60回未満の状態を徐脈、100回を越えると頻脈と呼んでいます。

ちなみに、一般的には年齢によって心拍数も違うと言われています。 小さい子は平常時でも100回近いですし、胎児は180回くらいですからね。

あと、一部の理論で「生涯において、総合的な脈拍数は決まっている」という話もあります。 例えば、象とネズミを比べてみると、象の心拍数は一分間におよそ30回、ネズミは一分間におよそ200回(!)ですので、象は寿命が長く、ネズミは短命、なんて話ですね。

実はスポーツ選手は徐脈?

ちなみにこの同僚が、自分は医学的に見ると異常という話をした時、その日の当番者7名のうち、3名が徐脈でした。

ちなみに僕も該当、平常時は50回代なので徐脈です。

これは医学的に言うと心臓肥大、俗に言うスポーツ心臓というものです。 激しい活動に耐えられるよう、心臓が1回で送り出す血液量を増やし、心臓への負担を減らすためのものであるようです。

そういう人は、ほぼ心拍数は60回を切ります。

ですので、正常な範囲として、一分間に60~100回という定義がありますが、普段とどう違うか、それを把握するために、自分の平常値を知っておくことが大切となります。

心拍数の測り方はいろいろありますが、それはまた別の機会にお話します。

今日はこの辺で。

保護ゴーグル、初見参! ~スタンダード・プレコーションを、基本に忠実~

今日は珍しく、日記的なものを書いていこうと思います。

と言うより、思ったことを書くだけなんですがね。現役の皆さんには、「こういう意見もあるんだな」くらいで思ってもらえればと思います。

感染防止には、手袋、マスク、ガウンともうひとつ

先日の当番、車付けは救急隊でした。 うちは選任というものではなく、その日の当番者で資格等を確認し、その署所にある車に割り当てる、という体制をとっています。

その日の救急出動の中で、こういった概要の事案が入りました。

「60代男性、吐血。咳き込んだら血を吐いた」

吐血と言う内容ですが、咳き込んだ時に血が出るのは「喀血」と言います。が、ここでは無視しましょう。

出動に際し、うちの所属では救急隊員はほとんどが手袋(使い捨て)、マスク、ガウンの3つを着用しています。

ですが、今回、僕はゴーグルを着用しました。 ちなみに、この日の救急隊3名のうち、ゴーグルをしたのは僕だけでした。

スタンダード・プレコーションとは?

救急だけでなく、医療関係者にはスタンダード・プレコーションという考え方を指導されます。 和訳すると「基本的な事前警告」といったところかと思います。

平たく言うと、感染防止です。

実は、感染防止の基本装備として教わるのは、手袋、マスク、ガウン、そしてゴーグルなんですね。

例えば交通事故の現場をイメージしてください。 血だらけかもしれません。 内臓を損傷していて、近付いたら血を吐き出されるかもしれません。 その人が、血液を介して人に移る感染症、例えば肝炎ウィルスを持っていたら、血がかかってしまった救急隊員は、感染する恐れがあります。

そういったいわゆる二次災害(広い意味ですが)を防ぐ、というのが、スタンダード・プレコーションの考えです。

なぜゴーグルを着けないのか?

というわけで今回の事案、僕だけがゴーグルを装着して出動しました。 結果、血を撒き散らすレベルの重症ではなかったので、正直言うとゴーグルの装着は不要だったかもしれません。

でもそれは結果の話。 実際に突発的な咳で血液が飛んできて、目に入ったら?と考えたら、不安です。

皆さんが装着しないのは、周りが着けてないから、とかそんな理由だとは思います。 実際、僕も普段は用意しているだけで装着しませんし。 そもそも今回初めて着けましたし。 たまたまもらった物なんですけどね。

まぁ僕は買ったわけではないので、工業用の保護ゴーグル(多分千円もしない)みたいなものを用意していますが、正直これを毎回着けたい、とは思えません。曇りやすいですし。

ただ、少しお金を出せば、軽くて着けてても違和感がなく、曇り止め機能も備えている物が多く売られています。

それで治療が必要な病気に感染するリスクが下げられるなら、安いもんじゃないですか?という話です。

ちなみに地元の救命センターに勤務するドクターは、オークリーのゴーグル(サングラス?多分度入り)を常に装着しています。

僕、それが欲しいです。

今日はこの辺で。

関係者は特に必見!消防の階級のお話 ~とりあえず、線と星を見てね~

すっかり更新が滞ってしまいました。 気付けば12月、師走ですね。

まぁ僕は新しい年を職場で迎える予定ですが・・・ と、これだけ読むとブラック企業みたいですねw

まぁそんなこんなで、交通安全週間が始まっているようです。 普段からスピードを出して車を運転する方々、気を付けて運転してくださいね!

というわけで今日は、消防における階級の話を書いていきます。 タイトルにも書きましたが、関係者は必見ですよ!

「消防士」は消防で働く人ではない

たまに防災フェアとか、地域の皆さんとの触れ合いの時に

「消防士さん!」

と声を掛けられるんですが、僕は消防士ではありません。 消防士長なんです。

実は「消防士」は職名ではありません。 階級の名称なんですね。

さて、階級の話に入る前に、消防でハタラク人について補足しておきます。

消防関係で働く人には「消防職員」と「消防吏員(りいん)」があります。

「消防職員」は、ざっくり言うと、「消防に関係する建物で働いている人」です。 そして「消防吏員」は、「消防に関する仕事をしていて、制服と階級が定められている人」です。

例えば、 市町村で雇用している臨時採用の事務職員さんは、「消防職員」であって「消防吏員」ではなく、 僕は「消防職員」であり、「消防吏員」なんですね。

新採用の職員さんは、テストで出ることがありますので覚えておいてくださいね!w

消防吏員の階級は、全部で10個しかない

では、消防吏員の階級について説明します。 と言っても、実は10個しかないのです。 同じ体育会系公務員の自衛隊さんと比べると、屁みたいな数ですねw

階級章の見方については後述しますので、まずはずらっと下の階級から並べてみます。

消防士、消防副士長、消防士長 消防司令補、消防司令、消防司令長 消防監、消防正監消防司監消防総監

こんなもんです。

意外と並べてみると、法則みたいな感じがあるので、すらっと覚えられるかもしれませんね。

ちなみにこの並び順、階級章の見分け方のヒントになります。

階級章は、星の数と、線の色・本数で見分けられる

さて、タイトルに「関係者必見!」としていましたが、実はここからが重要。

関係者は、階級の名前なんて覚えなくていいです。

覚えて欲しいのは、「星の数が多い人が偉い」のと、「線が多い人が偉い」「眩しい人が偉い」というポイントです。

先程紹介した階級で、消防士の欄を、線と星で紹介すると

消防士・・・・・細い線が1本、星1個 消防副士長・・・細い線が1本、星2個 消防士長・・・・細い線が1本、星3個

なんです。同様に、

消防司令補・・・細い線が2本、星1個 消防司令・・・・細い線が2本、星2個 消防司令長・・・細い線が2本、星3個

消防監・・・・・背景が金ピカ、星1個 消防正監・・・・背景が金ピカ、星2個 消防司監・・・・背景が金ピカ、星3個 消防総監・・・・背景が金ピカ、星4個

こんな感じです。

そして、消防は階級社会ですので、本来は対外的に関係者と話す際は、現場の責任者が対応しなければいけません。

ですので、もし話を聞きたい関係者の皆さんは、 「星の数が多い」「線が多い」もしくは「眩しい」 という人を探してください。

ちなみに、ここまで書いた内容がほぼ網羅されているページがhttp://www.fdma.go.jp/neuter/topics/danketsuken/PDF/220226_dai2_07.pdf&sa=U&ved=2ahUKEwjXh8W1xI3fAhVFebwKHUsmAuYQFjACegQIBxAB&usg=AOvVaw2K40YJKIO3mTETsNMEYy4r:総務省消防庁のページ内にありましたので、参考にしてください。

じゃあここまで書いたの何だったんだw ということで、今日はこの辺で。

現役消防士からのお願い ~野焼きは法律で原則禁止、ですが・・・~

少し期間が空いてしまいました。

 

そんなこんなでついに地元でも初雪が観測されました。

って、こんなこと書くと地域が悟られそうですが・・・。

 

 

ところで今日はこんな話題を拾ってみました。

僕の尊敬する、そして勝手に「人生の師」と煽っている、聖帝サウザー氏のつぶやきからです。

 

彼を紹介するのは僕なんかでは言葉が足りませんので、Voicyでも聞いていただければいいのですが(僕もリスナーです)、彼は現在自分の考えるビジネスモデルのひとつ、観光農園事業の準備をしています。

 

ちなみに本業は「ニート」のようです。(うらやましい)

 

そんな中、こんなつぶやきが。

 

 

似たような経験、思い当たる節がある、そんな方はいませんか?

 

 

実は、いわゆる「野焼き」などと呼ばれる行為は、法律及び条例で禁止されています。

 

平成13年施行の「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」(廃棄物処理法)によるもので、条例は各都道府県により内容が若干異なってきます。

それ以前にも、家庭用の小型焼却炉等による、家庭でのゴミ焼きも禁止されました。

 

内容を噛み砕くと、

・屋外でいろいろ燃やしちゃうと、5年以下の懲役若しくは1,000万円以下の罰金、又は併科(法人に対しては3億円以下の罰金)

って感じです。

 

家庭のゴミ焼きは、ビニールなどを償却することでダイオキシンが発生し、環境汚染につながるから禁止、というものでした。

 

で、野焼き関係の方は、なぜ制定されたかわかりません。

しかし、背景には火災危険と共に、煙や臭いのせいで周辺住民から苦情が寄せられる、というものがあると考えられます。

 

実際、うちの消防本部管内にある町では、火災件数が年間10件未満ですが、毎年野焼きから小屋や自宅、そして人へ火が移ってしまい、火災が発生しています。

 

ですので、野焼きは原則禁止です!!

 

 

が、例外として、構造基準を満たした焼却炉を使用するなど、要件に当てはまれば認められているものが以下にあります。

 

・法令に基づく焼却(伝染病家畜,松くい虫,被害伐木等の焼却)

・風俗慣習上の行事のための焼却(火祭り,どんと焼き等)

・農林漁業のためのやむを得ない焼却(草,木の葉,枝,もみがら,わら等の焼却)

・学校教育のための焼却(キャンプファイヤー等)

・落ち葉,一時的に出される少量の剪定枝,空き地の刈り取った草木の焼却

 

上記に当てはまる場合、「火災とまぎらわしい発煙等の届」を所轄消防署に提出することで、火入れ行為をすることが可能です。

 

実際に、地元では

・米農家さんの、田んぼの法面を刈った雑草の野焼き

・りんご農家さんの、下草や枯れ枝の焼却

・幼稚園の焼き芋会やキャンプファイヤー

などは、届け出をしてもらえば許可しています。

 

 

ですので、今回のサウザーさんの場合は、

・農園の準備をしているので、農業をする上で必要な行為である

という名目があるので、火入れ行為自体は可能だと思います。

ただ、一度今回出動してきた消防署へ、謝罪と相談に行っておいたほうがいいと思われます。

そっちの方が心象もいいでしょうし。

 

が、後に続くコメント欄でこんなことを。

「夜に火柱」はまずいですね。

一般の方から見たら、火事だと思いますからw

 

 

あと、参考に。

最近の薪ストーブは乾燥させなくても、十分燃焼するようです。

実家では、知り合いの建築業者から廃材を譲ってもらい使用しています。

オブジェとして薪ストーブを仕入れて、時期によっては使用してみるのもいいのではないでしょうか?

 

今回はこの辺で。