パリのノートルダム大聖堂火災を受けて ~日本での文化財保護などのお話~

海外のニュースですが、関係あるからなぁ・・・ということで、

流し見ができなかった内容でしたので、少しまとめてみようとおもいました。

 

もうすでにみなさん、ご存じかとは思いますが、パリでノートルダム大聖堂が火災にあいました。

これを受けて、日本の文化財建造物の防火安全って、何か対策してるの?

という質問が、誰からともなく文書が届きましたので、少しだけ解説することにしました。

 

今日もよろしくお願いします。

 

パリのノートルダム大聖堂で火災発生、文化財が一部焼損する

まずは火災の内容を少しだけおさらいします。

 

平成31年4月15日、パリのノートルダム大聖堂で大規模火災が発生しました。

改装工事中の火災発生という情報が入っています。

 

この建物は、建物事態がユネスコ世界文化遺産に登録されています。

ですので、収容されている貴重な文化財等の焼損は少なかったそうですが、

建物事態が世界文化遺産となれば、その時点で大きな損害です。

 

現在、原因は調査中のようですが、この文化財というものは、

一旦滅失毀損してしまうと、再び回復させることは、基本的に不可能です。

 

言わば、この国民にとっては、国民共有の財産と言えるでしょう。

 

例えば、日本に置き換えて・・・

富士山が燃えてなくなったら、嫌ですよね?という話です。

日本では文化財保護を、消防の立場からどう進めているのか?

日本では、過去に大きな文化財が燃えています。

 

それは、昭和24年1月、法隆寺金堂での火災です。

これは、現存する世界最古の木造建築物であったのですが、

貴重な壁画が火災で焼損しています。

 

これに伴い、昭和25年に文化財保護法というものが成立しました。

併せて、法隆寺が火災発生した日にちなみ、

毎年1月26日を文化財防火デーとして、各地で防火指導等を実施しています。

今回のノートルダム大聖堂火災を受け、日本の消防が指導しようとしていることは何か

そして、今回のノートルダム大聖堂の火災発生に伴い、

まだ現段階で火災原因は判明していませんが、

まずは現在の防火対策がしっかりと継続されているか、を調査することになりました。

 

内容として、今回は重要文化財となっている建物について、

すでに消防庁側でリストアップした建物に対し、質問をするというものです。

 

ちなみに、質問内容は、

  • 失火対策について(うっかり火がついたりしないか)
  • 放火対策について(死角はないか、侵入されやすくないか)
  • 延焼しやすくはないか(よくごみが散らかってることはないか)
  • 飛び火しやすくはないか
  • 落雷対策はされているか
  • 過去に火災は発生していないか(類似火災をなくす)

  • その他、収容施設の構造、警備体制、訓練実施状況、想定される火災の原因などを、
    対象物関係者の方々からうかがう予定となっています。



    ざっくりとした周知となってしまいましたが、
    世界に誇る日本の消防対応力の基本として、予防の力を存分に発揮できるよう、
    簡単ではありますが、この場を借りて協力お願い申し上げます。



    ちなみに、僕の管内にはないので、関係者に会うことはないと思います。。。

    今日はこの辺で。