消防士に求める人材は?救助隊員、救急隊員、防災訓練等で求められる体型・体格・人柄について考えてみた!

台風が接近中です。 今回は地球で一番の規模の台風が来ている、なんて報道されています。

人工衛星のおかげで、人は天気をより正確に予測できたりするようになりました。 それでも外れることは多々あります。

今、ちょうど新採用試験の日程を消化中のようですが、 やはりこちらが望んでいる人材と、 応募してくる人材には多少なりとも差異が発生してきます。

以前少し書きましたが、公務員は基本的に、試験を突破することができれば採用されます。 さらに言い換えれば、予め答えが用意されてある問題に対して、 出題者が望む回答をできるか、を試しているわけです。

ですが、実際の災害現場って、答えはあってないようなものです。 ちょっとだけ、採用試験の目的に反してますよね。

もちろん、その根本には消防法第1条があります。 住民の生命、身体、財産を、守らなければなりません。

とはいえ、採用となると、一番の要望は 「一緒に働いていても大丈夫な人間なのか?」 になってくるわけです。

それを踏まえて、前回の記事から連載式でお送りしている、消防が求める人材について語るシリーズ。 今回は第2回、「どういう体型・体格・人柄の人が求められるか?」を書いていきます。 大きく3つに分けて書いていきます。

それではよろしくお願いします。

救助隊員に求められる人の体型・体格・人柄について

まずは、救助隊員に求められる体型・体格・人柄について書いていきましょう。

その前にざっくりと説明しておきますが、救助隊員とは、 「危険な場所に進んで入り、困ってる人を助け出す最前列の隊員」です。

例えば、ある建物で火災が発生し、建物の中に逃げ遅れた人がいるとします。 そんな場面で、火と煙が充満する建物の中に進入し、人を探し出す活動をするのが救助隊です。

その他にも、 マンホールで作業していた人が、急に動かなくなったけど助け出せない、 交通事故の現場で、車の中に挟まれた状態で動けない人がいる、 などの場面で、助けを必要としている人を助け出す活動のメインが救助隊です。

ちなみに、助けが必要な人のことを、要救助者と呼んでいます。

そんな救助隊員に求められる人材は、 ・狭いところへ進入しやすいが、人を確実に救出できる中肉中背、もしくは小柄 ・危険の伴う場所へ進入した救助隊員を支える、又は確実に引き戻せるアンカー ・活動全体を把握できる広い視野、豊富な知識を持つリーダー ・要救助者を絶対に助け出す、という強い心を持って行動する人

まとめるとこんなところです。

救助隊は精神的にも肉体的にも辛い現場で、先頭を進むことになります。 役割も様々あり、個性が生かせることもあれば、個性が邪魔をすることもあります。 さらに、隊として活動していても、活動中は一人ですべてを処理しなければならない場面もあります。

ですので、要約すると、努力を継続することができて、最後までやりきる人であると考えています。

救急隊員に求められる人材の体型・体格・人柄について

次に、救急隊員に求められる人材の体型・体格・人柄についてです。

その前に、救急隊員の活動ってどんなの?という話ですが、 世間の皆さんからすると「救急車に乗って、病気の人を治療する」と思われているかもしれません。

実際のところ、救急隊員の業務というのは、 「病院で治療を受ける必要がある傷病者を、適切な応急処置をしながら搬送する」 ことが明記されています。

ですので、救急車内で医療行為に当たることをしてしまうと、医師法違反に当たります。 実際のところ、喉が乾いている人に水を与えることも禁止されているのです。

そんな救急隊員に求められる人材をまとめると、以下の通りです。 ・体は細いが力持ち ・観察力と洞察力がある人 ・丸顔

都市部ではマンションなどの通路が狭く、高い階層に住んでいる方からの救急要請が考えられます。 地方でも、車やストレッチャーで近づけずに搬送距離が長くなることが多くあります。 ですので、体は細いが力持ちだと、便りがいのある隊員になれると考えられます。

そして、救急隊員が傷病者(患者とは呼びません)と接触してから病院を選定するまで、 この傷病者はどういう症状なのかを見極める必要があります。 どのくらい思い病気か(重症度)、一刻も早い処置が必要なのか(緊急度)を観察し、 判断して、適切な病院に収容依頼の連絡を行います。

この時になるべく余計なオーバートリアージ(より重い、悪い方で判断する)を減らすために、 観察力とともに洞察力が重要になってきます。 そうすることで、受け入れる病院側の負担が減り、より適切で早い処置が受けられるのです。

なお、丸顔は救急隊員に向いている、と書いておきましたが、 単純に傷病者や住民に安堵感を与えられるのではないか、と考えたからです。 しょうもない理由ですみません。。。

防災訓練などの担当者として求められる人材の体型・体格・人柄について

では、最後に防災訓練などの担当者に求められる人材の体型・体格・人柄について触れていきます。

実は、消防業務の中で重要視されているものの中に、 対住民の場面での対応力が必要とされています。

どうしても地方公務員という立場のため、住民の皆様には強く出られないことが多くあります。 それでも、信頼を得つつ、伝えなければならないことはしっかりと伝えなきゃいかん! という立場で仕事をしなければなりません。

それができるかどうかを積み重ねる場が、防災訓練などの担当に当たったときです。

一例として、こんな人が向いているというのを挙げておきます。 ・話しかけやすそうな雰囲気の人柄 ・強面だけど優しく丁寧な口調 ・よくしゃべる人 ・子ども好き

防災訓練指導にいくと、住民の皆さんが抱えている問題として、 消防さんに聞いてみたいことがあるけど、なぜか聞くことができない、ということがよくあります。

それを解決してくれるであろう、というのが上記した方々ではないでしょうか。

聞くことができない理由が、自分の話に耳を傾けてくれるか心配だ、というのであれば、 話しかけやすそうな雰囲気の方になら聞けそうかも、となりますよね。

同じ理由で、強面だけど優しく丁寧な口調の人であれば、 間違って変なことを質問しても聞いてくれそうだな、と考えてくれるはずです。

また、よくしゃべる人であれば、気軽に質問してもすぐに回答してもらえるだろう、 なんて想像してもらえ、質問しやすいでしょう。

そして、最後の子ども好きは、最強ですよね。 面倒見のいい人だな、この人ならなにか聞いても悪いことは言われないよな、 なんて想像してもらえると思います。

本日のまとめ

ということで、今回はどういう体型、体格、人柄の人が消防に向いているのか、 を自分なりの意見としてまとめてみました。

簡単にまとめてしまえば、 いろんな人が必要で、うまく長所が合うポジションを探してほしい、 という考えです。

でもその根本には、住民の役に立ちたい!という気持ちが必要不可欠です。 優しくもあり、厳しくもある。 そして、なによりもそのために努力できる人であれば、消防に限らず、 どんな場面、どんな場所でも頼られる人間になれるのではないでしょうか。

そんな仲間と一緒に働けたら、幸せだな・・・ なんて考えております。

もしこの記事を読んで、消防を目指したい!となった方は、 まず自分がどういう人間なのか、自分の取り扱い説明書を作ってみましょう。

という問題提起をしたところで、今日はこの辺で。

今回のシリーズはこちら。 仲間にしたい人材。職人気質とオールラウンダー

消防職員が兼ね備えるべき心技体