札幌ガス爆発事故、正しくは「爆発火災」。そこから学ぶべきものは?
いきなり寒くなった今年の冬ですが、少し寒さが和らいできましたね。
そんな中、北海道から熱い話題が入ってしまいましたね。
とりあえず消防関係者としては触れなければならない話題ですので、札幌のガス爆発について今日は書いていきます。
爆発事故と呼んでますが、火災の三要素から見れば火災です
まずは、火災の定義を紹介しておきましょう。
火災とは、 ①人の意図に反して又は放火により発生 ②消火の必要のある燃焼現象 ③消火施設又はこれと同程度の効果のあるものの利用が必要 の、3つ全てに該当すると、「火災」という扱いになります。
これを火災の三要素と呼んでいます。
ですが、爆発の場合は②、③があってもなくても火災になります。
そして、今回の札幌の事案を映像で確認していくと、爆発の継続があり、焼損物件があるので 、札幌のガス爆発事故、これは正しくは爆発火災です。
爆発の定義
また、爆発と一言で言ってますが、こちらもきちんと定義があるんです。
爆発とは ・化学的変化による反応の形態のひとつ ・急速な化学反応で多量のガスと熱を発生 ・爆鳴、火炎及び破壊作用を伴う現象 だそうです。
言葉にすると難しいですが、報道で出てる情報を並べると ・引火性のガスに火が着いた ・炎が上がっていた ので、まぁ定義を知らなくても爆発だ!って思いますよね。
夜の火災では死者が出るのに、あの規模で死者はなし
しかし今回の事案、不思議だな?と感じたのは、死者がいなかったことです。
火災に伴う死者は、火災発生から48時間以内に、その火災に関わって亡くなった人の事をいいます。
被害はあの大炎上、建物が20棟、車両26台、42人が重軽傷という規模にも関わらず、死者がいなかったのは凄いです。
逆にあの時間帯、一般住宅の火災だと、死者がいておかしくありません。
では逆に、何故火災で死者が出るのか?ということを考えてみます。
火災の死者で一番多いのは、逃げ遅れによるものです。
火災による死者の原因のほとんどは、逃げ遅れてしまったため、気道熱傷(呼吸に関する器官が焼ける)によるものが多いです。
逃げ遅れる理由も、煙を多量に吸い込んでしまい、意識があっても動けない状態だったりする場合がほとんどです。
今回の札幌ガス爆発火災、建物の倒壊はありましたが、それによる閉じ込めがなかったこともそうですし、巻き込まれた人も逃げることが出来た、ということが、死者が出なかった要因のひとつと考えられます。
そう考えると、やはり火災と早期に気付くこと、そして逃げることが、命を守るために重要だと考えられます。
ですので、何を言いたかったかというと、皆さん住宅用火災警報器を設置してくださいという話です。
今日はこの辺で撤収。