消防士に求める人材は?どんな心技体を備えるべきか、考えてみた

台風19号が各地で甚大な被害を発生させました。

河川の氾濫や決壊、そして強風や竜巻による被害など、 改めて自然の驚異、それに日本は風の国であることを実感させられました。

ただ、明るいニュースもくれた、日本です。 ラグビー日本代表が、ワールドカップ初のベスト8進出です。

地元の利もなかったとは言えません。 でも、勝てない相手には勝てないのです。 今回は見事に勝利を得て、先に進めることを素直に喜びたいと思います。

さてさて、話は変わります。 連載シリーズ、第3弾となります、消防職員に求める人材についてです。

今日は「心技体」について。 どんな心、体、そして技術があればいいのか。

連載の中で、既に述べている項目は多々あります。 ですので、まとめに近い形になってはいますが、さらに詳細にまとめられたらと思います。

それでは、本編をどうぞ。

消防職員に求められる人材の「体」とは

順番が逆になってしまいますが、まずは求められる「体」について説明していきましょう。

ここの答えはシンプルに、体力はあればあるほどいい、です。

以前、職場の先輩からこんな質問をされました。

「救助要請が入って、現場に向かったら、車の下敷きになっている人がいた。  まず、お前ならどう助けようと考えるのか?」

そうですね、まずは持ち上げる機材が救助工作車に何種類か積載しているので、 車の大きさを見たり、現場の周囲の状況を見たり、あとは動かせるかどうかを考えて・・・

なんていう話をしようとしたら、 「余計なこと考えずに、まずみんなで持ち上げてみるのが早いよな」 という回答をされてしまいました。

困っている人をとにかく早く助けるには、どうすればいいのか。 救助隊ならいろんな資機材を使用して、より安全に・・・なんて話ではなかったです。

車なら、持ち上げられるだろう。 そのために鍛えているんじゃないのか? それが一番早くて、簡単だろう。 そのくらいできなくて、なにが救助隊だ!

この質問をしてきた先輩は、こういう考えでした。 パワーがあれば、早く、簡単に救助できるという場面の一例でもあります。

また、火災現場でも、炎上火災であれば短時間で消火できるものではありません。 ホースを延ばして筒先を持ってあっちにこっちに放水して・・・ これを限られた人数で行わなければならず、ほぼ自分でなんとかしなくてはいけません。

瞬発的なパワーも必要、長い時間活動できるスタミナも必要。 ですので、体力はあればある方がいいです。

消防職員に求められる「技」とは

続いては、消防職員に求められる「技」について。

これについては、技術と知識を多く身に付けろ、と言いたいです。

技術と言えば、例えば、ロープの結索なんかがそうでしょう。 もやい結びや巻き結びなど、代表的なロープ結索がありますが、 単純に早く作ればいいというものではないのです。

実際に現場で使用して、作業は速いが突然ほどけた、なんてことになれば、 人の役に立つどころか、人に危害を与えることになるかもしれません。

そのためには、正確に、そして速く作業をできるように努力を積み重ねるしかありません。 これは、消防に限らず、技術職と言われる人には当然当てはまることだと思います。

また、技術だけではなく、知識も必要です。

あまり知られていないようですが、消防は事務仕事も多いのです。 当然、事務仕事を進めるには知識が必要です。 技術だけではどうにもなりません。

さらに言えば、業務上で身に付けた知識は、現場で生きてくることが多々あります。

例えば、住宅用火災警報器から音が聞こえるけど、火も煙も確認できない、なんて相談があるとします。 そんな時、 ホコリが溜まってくると構造上間違って鳴動することがあるとか、 電池切れの時には普段の警報音とは違う音が鳴る、といった知識があれば、 住民のみなさんも安心できますよね。

また、ひらめきは、何もないところから降ってくることはないのです。 自分の経験や知識、それを組み合わせたら、たまたま新しいアイディアが生まれた、という結果に繋がります。

世間で話題になるヒット商品も、全く新しいものであることも確かにありますが、 多くの商品は、以前からあったものを組み合わせた商品です。

僕の言葉でまとめるなら、 「ひらめきは積み重ねの組み合わせ」 となるでしょうか。

消防職員に求められる「心」とは

さて、ここまで体と技について書いてきました。 では最後に、「心」について書いていきましょう。

ちなみに、消防業務のもっとも根本となるものって、皆さんご存じでしょうか?

これは、消防法第1条に他なりません。 実際に条文を読んでもらえると、いろいろと長く書いてあります。 ですが、要約すると、「国民の生命、身体及び財産を守ること」を目的としています。

そのために、消防士はひとりひとりが国民(地域住民)の生命、身体及び財産を守るんだ! という気持ちを日々持ちつつ働いています。 でないと、究極のサービス業としては成り立ちません。

あくまで、自分のためではなく、国民のため。 国民のためといいますが、地域住民のため、という言い方の方がしっくりきますね。 消防法は法律ですが、消防は市町村単位の地方公務員ですからね。

ですから、これから消防士を目指す人は、住民ファーストを意識してみてください。

少しだけまとめ

という訳で、3回に分けて自分の考えを述べた、消防職員に求める人材とは?ですが、 一旦締めたいと思います。

1回目は、どういうタイプがいいのか。 2回目は、どういう体格がいいのか。 3回目は、トータル的にどういう人がいいのか。

うまくまとめることができないため、3記事に分けてしまいましたが、 是非これから消防を目指す方、 そして消防職員を見る側の方たちにも、参考にしてもらえればと思います。

よし、今日はこの辺で。

今回のシリーズはこちら。 仲間にしたい人材。職人気質とオールラウンダー

消防職員に向いてそうな体格、体型と人柄